精米歩合とは、「玄米から表層部を削ってゆき、残った米の割合」のことで、精米歩合の数値が小さいほどキレイな味わい・フルーティーな日本酒が多く、数値が大きいほどお米の味や香りの強い日本酒が多い、日本酒の質を判断するうえで最も重要な数値です。
日本酒の基本中の基本、「精米歩合」を知っておこう!
「日本酒は好きだし興味があるけど、作り方とか種類とか、よく知らないんだよね~」という方は、日本酒の基礎的なことを知るだけでも、楽しみ方の幅が大きく広がります。
また、自分の飲んだお酒がどのようなお酒か知ることで、「じゃあ次はこういうお酒を飲んで比べてみよう」という気にもなりますし、お酒を飲む度に知識と経験を積み重ねることができます。
日本酒の味を決める要素はいろいろとありますが、まずは基本中の基本、お米をどれだけ削ったかを示す「精米歩合(せいまいぶあい)」について知っておきましょう!
精米歩合とは「玄米から表層部を削ってゆき、残った米の割合」のこと
一般的にスーパーなどで販売されている、炊いて食べる用途のお米は、既に玄米から精米されたものです。玄米は茶色いですが、精米されたお米は白いので、見た目でわかりますね。
精米歩合とは、「玄米から表層部を削ってゆき、残った米の割合」のことで、例えば炊いて食べるお米は、一般的には精米歩合が90~95%、つまり玄米から5~10%くらい表層面を削ったお米を使っています。
一方、日本酒に使用するお米は、精米歩合が70%以下、つまり元の玄米から30%以上削っているものが多いです。スーパーやコンビニに売っている日本酒は60~70%くらいのものが多いかと思います。
日本酒の中には精米歩合20%、つまり元の玄米の80%を削っている贅沢な日本酒もあったりして、例えば有名な「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」は精米歩合23%、つまり元の玄米から77%もお米を削っちゃっている贅沢なお酒ですね!
精米歩合はほとんどの日本酒のパッケージに具体的な数値が表記されているので、今後日本酒を選ぶときには、まず精米歩合を確認しましょう!
お米を削る量が多いほど、日本酒の値段が高くなる
お米を削る精米作業は機械で行われますが、正解歩合の数値が小さいほど、つまりお米を削る量が多いほど、精米作業にかかる時間が増えます。
精米時間は削る量が多いほどより多くの時間がかかり、精米歩合70%で10時間、50%で50時間、獺祭磨き二割三分つまり23%はなんと144時間もかかるそうです!
ちなみに、先日、新澤醸造店が販売している精米歩合7%の日本酒「残響」を飲んだのですが、7%の精米時間は約350時間だそうです!
一般的な日本酒は数千円で購入できますが、獺祭磨き二割三分は税抜き5,000円、残響は30,000円です!
もちろん、獺祭や残響などの高品質な日本酒は、精米以外にも手間暇をかけている分、価格にそれが反映されているのだとは思いますが、精米歩合と値段が比例することがイメージできたのではないでしょうか。
お米を削る量が多いほど、キレイな味わい・フルーティーな日本酒になる
お米の外側にはタンパク質や脂質が多く含まれており、これは日本酒の味わいに雑味や苦味を与える場合があります。
そのため日本酒は、基本的には精米歩合の数値が小さいほど、つまりお米を削る量が多いほど、より雑味の少ないキレイな味わいとなります。目安としては、精米歩合が60%以下になってくるとだいぶ雑味がなくなる印象です。
また、詳細は別記事に改めて記載しますが、精米歩合の数値が小さいほど、味わいや香りがよりフルーティーになります。一般的に「初心者でも飲みやすい」「日本酒が嫌いな人でも飲める」お酒が、この精米歩合の数値の小さい、より雑味の少ない日本酒ということになるでしょう。
また、前述した通り、精米歩合の数値が小さいほど精米にお金と時間がかかるため、蔵元さん側もそれなりに力を入れて造っているのが精米歩合の数値の小さい日本酒です。そのため、当たりを引く可能性も高いです。
精米歩合が50%以下になってくると、720ml瓶で5,000円前後するお高い日本酒も多くありますが、1,000~2,000円程度の「本当にこの値段で大丈夫なの?」と思えるほど安くて高品質なお酒もたくさんあるので、お店に行ったときは「安いのに精米歩合の数値が小さい(60%以下程度)日本酒」を探してみると良いでしょう!
お米を削る量が少ないほど、お米の味や香りの強い日本酒になる
前述した通り、お米の外側にはタンパク質や脂質が多く含まれており、これは日本酒の味わいに雑味や苦味を与える場合があります。また、精米には時間とお金がかかるため、精米歩合が70%前後の日本酒は、だいたい720ml瓶で1,000~1,500円くらいと比較的安価なものが多いです。
「ということは、精米歩合の数値が高いお酒は、安いけど雑味が多い粗悪品ってこと?」と思ったかもしれませんが、決してそんなことはありません!
精米歩合が70%程度の日本酒はあまりお米を削っていないため、お米のニュアンスが強い味や香りになる傾向があります。お酒造りが上手な蔵元さんの中には、卓越した技術によって雑味を抑えつつも、お米のニュアンスを強めた旨みのある日本酒を造っているところもあり、そういった日本酒は常温や熱燗にすると非常に美味しいです!
とはいえ、精米歩合の数値が大きい日本酒の中からそういった良質なお酒を見分けるには、さすがに精米歩合の情報だけでは難しいので、他の要素について一緒に学んでいきましょう!
まとめ:日本酒の味・香り・値段は精米歩合に大きく影響される
精米歩合(精米歩合)とは、「玄米から表層部を削ってゆき、残った米の割合」のこと。
精米歩合の数値が小さいほど(=お米を削る量が多いほど)、キレイな味わい・フルーティーな日本酒になる。
精米歩合の数値が大きいほど(=お米を削る量が少ないほど)、雑味や苦味のある日本酒になる場合もあるが、お米の味や香りの強い旨みのある良質な日本酒もたくさんある。
お店で売っているほとんどの日本酒は精米歩合が記載されているので、今度お店で日本酒を見かけた際は手に取って、飲んだことのある日本酒や自分の好きな日本酒が、どれくらいの精米歩合だったのか確認してみてください!
次回は、これまた日本酒の基本中の基本、「特定名称酒の種類」について学んでいきましょう!
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